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ゲームの感想などを書いてます。

さくら、もゆ。 -as the Night’s,Reincarnation- /FAVORITE 感想

【評価ポイント】

個人的な最大の評価ポイントは、音楽(特にBGM)ですね。
1つ1つの曲が素晴らしく、そして多彩。
何よりも作品に非常にあっていて、まさに物語を彩っていました。
ここまで音楽に魅せられたのは、「ハピメア」以来ですね。

また、シナリオも大変良かったと思います。
「物語とはかくあるべし」という製作スタッフの痛烈なまでの思いを受け取りました。
ここまで貫ける作品は、そうそう見つからないと思います。

その他の点についても高水準に収まっており、出来は非常に良いと思います。

【マイナスポイント】

まず、人を選ぶ作品であるというのは間違いないですね。
それにプラスして冗長な面は否定できず、話自体も難解ではあります。
私は割と雑食なタイプなのである程度進めると慣れましたが、それでも最初は少しきつかったです。

【評価度】

評価度:10
「あめぐれ」に9を付けたこともあって若干迷いはしたのですが、最終的には最大評価値にしました。
作中のシーンでは、何度も何度も心が震える場面があって、プレイしてよかったと素直に思えます。

【おすすめ度】

おすすめ度:8
評価度のバーターというわけではないですが、こちらは一段下げてます。
文体だったり展開だったりが本当に人を選ぶので、安易にはお勧めしづらいところです。
それでも、プレイしてほしい作品ではありますが。

【その他感想】

正直、長かった・・・。
軽いお話ならまだ楽なのですが、相当にヘビーなお話なので読み進めるのがある意味でかなりきつかったなあという思いはあります。
ただ、それでも最大評価をしているあたりに、自分がどれだけこの作品が好きだったかが表現されているかなあと。
なんというか、ここまで愚直なまでに「表現したいことを表現した」作品をプレイするのは久しぶりで、その熱量にまず圧倒されましたね。
そのうえで、シナリオとBGM、CGや演出などがとても高レベルで、「果たして今年、これ以上の作品が出てくるのかなあ」と思ったのは否定できないです。

どのヒロインもとても素敵だったのですが、一番をあえて選ぶとすれば「柊ハル」でしたね。
ルート的にも、ハルのルートが一番好きだったかな。
「愛」とは何か、それが「壊れた世界」の中で、強く表現されていたかと思います(どのルートも似た感じではあるのですが)。

攻略ヒロイン以外の名前を出すと、あさひさんが本当に強かった。
あそこまで愛を周囲に対して、嘘偽りなく振りまける人は「お話」の中にあっても稀だと思います。
ただの自己犠牲ではなく、本当にそう思っていることが強く感じられ、ただただ感服するばかりでした。
他のキャラに関しても、全員が精いっぱい「生きて」いました。
その生き様は、確かに読み手を勇気づけ、元気づけ、前へと進めるような「作品」であったと思います。


せっかくBGMを評価点に挙げているので、個人的に特に好きなBGMを以下に箇条書きにしておきますね。

・「はるのあしあと」
・「忘れたいはずのなにか」
・「失われた刻をもとめて」
・「Reincarnation Ⅲ」
・「この美しい世界」

他のBGMも素晴らしいのですが、とりわけこの5つは心に残っています。
歌に関しても、非常に「美しい物語」のようになっているので、是非歌詞を頭の中に浮かべながら聴いてほしいです。


この作品を最後までプレイして改めて思ったのは、この作品こそが、作中の中で語られていた「作品」であったなあということです。
大雅「達」の生き様、これは誰のための物語なのか、ヒーローはどこにいるのか、ソレらの事柄はまさに「珠玉の物語」であったと思います。