エヴァーメイデン ~堕落の園の乙女たち~/ライアーソフト 感想
【シナリオ】
クローズドな学園モノ×百合×ホラーという組み合わせですが、シンプルにクオリティが高かったと思います。
比較的読みやすいテキストと飽きさせない展開、キャラの魅力を存分に引き出す掛け合いで非常に楽しめました。
特に展開に関しては一寸先に何が起こるのかも想像がつかない状況で、久々に「未知」を楽しむ経験が出来たかなと思います。
また、この手の作品のお約束としてカップリングが基本的に固定されている点も、安心して楽しめるという意味で良かったかなと思います。
【キャラ・CG】
キャラに関しては見事という他にないかと思います。
各キャラとも魅力的で、カップリングを語る上での「関係性」も非常に良かったと思います。
CGは間違いなく人を選ぶであろう作品ですが、本作の作風とは上手くマッチングしていたかと思います。
まさに耽美。
【BGM】
1曲1曲のクオリティは高く、作品との相性も良かったと思います。
ただもう少し数は欲しかったかなという思いもあります。
【歌】
非常に美しい曲で、今年発売されるゲームの中でも間違いなく上位に食い込むであろうと思います(まだ2月ですが)。
めっちゃフルで聴きたい曲ですが、今手に入れる方法あるんですかね・・・?
【システム】
システム面に関しては、使いづらいかなというのが率直な感想。
特にバックログに関してはもう少し見やすくしてほしいかなあと感じました。
まあそれでも、プレイに支障をきたすようなことは無かったですが。
【評価度】
評価度:9
人を選ぶ作品ではあると思いますが、間違いなく傑作の部類に入ると思います。
シナリオの欄でも記載しましたが、シンプルにクオリティが高いんですよね。
1つの読み物として、読ませる力が凄い作品だと思いました。
【おすすめ度】
おすすめ度:8
ジャンルおよびCGから、万人にお勧めできるというものではないかなと。
ただ、作品紹介のページを見て「行けそう」と思った人には是非プレイして欲しい作品ですね。
お金も時間も間違いなく無駄にはならないので。
【その他感想】
2月に何かプレイしたいなあと探してた時に目に付いたのが、純粋な購入理由でした。
(本当は別の作品を予定していたのですが、案の定すっ飛んでいったので・・・)
そんな感じで割と緩い理由からプレイしたわけですが、思いがけず素敵な作品に出合えました。
作品を一言で表すなら、やはり「愛」でしょうか。
愛に始まり、愛に終わった作品。
プレイし終えたあとはそんな印象を抱きました。
まず百合モノとして特に重要である(と私が勝手に思ってる)キャラとカップリングが非常に良いんですよね。
で、その素晴らしいカップリングにフォーカスする形で各章が進んでいくわけですから、面白くならないわけがない。
特にマコーとパヴォーネのあのシーン(プレイした人なら何となくわかる気がしますが)とか凄く美しくて、あそこだけで値段分の価値があったんじゃないかとすら思ってます。
また、その後のマコーの行動(の真意)も高潔で尊く、とても心を打たれました。
キャラ面で特筆したいのがアヴェルラとアルエット。
アヴェルラは終盤まで読み進めてみると、ガチで「美しい人」でした。
姿かたちだけでなく、その精神性も。
アルエットは凄く天真爛漫で、それでいて芯の強い子。
人を思いやり、それでも自分の想いを示す姿が作中を通してとても印象的でした。
萌花ちょこさんの声とも相性も抜群でこの子がメインで本当に良かったと思います。。
シナリオに関しては、やっぱりTRUEエンド(というかハッピーエンド?)が一番好きでしたね。
全ての謎が解明され、その後のアルエットの想いと行動が本当に良かったです。
天真爛漫なキャラがクールなキャラを落とす展開は、どの作品でもやっぱり良いものです。
物語開始時点から終盤までのルクの心情を慮ると、たやすく同情することすらも躊躇われるレベルできつかったと思うんですよね。
だからこそ、その手を取って掬い上げたアルエットの言葉と行動に拍手を贈りたいと思います。
きっと、彼女であるからなしえた結末だと思います。
素晴らしい作品との出会いに感謝を。
いつかまた、振り返りながらゆっくりとプレイしたいと思います。