out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

Re:LieF〜親愛なるあなたへ〜/RASK 感想

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【シナリオ】

社会の中で何らかの形で躓いた人達が、クローズドな世界でもう一度「学習」し再起を目指す物語であり、非常に強いメッセージ性もった作品だったと思います。

シナリオゲーとしての完成度は図抜けて高く、ゲームをクリアした後はなんとも暖かい気持ちになれる作品でした。

背中を押してもらえることの有難さを実感している人ほど、強く刺さる作品なのではないでしょうか。

【キャラ・CG】

クオリティ自体は間違いなく高いです。

キャラ1人1人のデザインはもちろんの事、場面場面で挟み込まれるスチルは特に秀逸で、その年の作品の中では1・2を争う出来栄えだったのではないでしょうか。

 

【BGM】

こちらもかなりのハイクオリティでした。

特に、作品を通じて流れているピアノの旋律は少し哀しく、でもどこか暖かくて、この作品そのものを見事に表現していたかと思います。

【歌】

正直なところ、OP曲に関しては今更自分等が語る必要もないくらいの名曲かと思います。

個人的に特筆すべきと感じたのは、グランドEDでした。

ありがちといえばありがちですが、それでもそのクオリティの高さとセンスには脱帽しました(ネタバレを避けるとこんな表現になるのが、なんとももどかしい・・・)。

【システム】

コンフィグを経由せずにミュートできる機能など有難い機能もあったのですが、初期フォントの見づらさ等のマイナス面もあったかなというのが正直なところ。

差し引きで「普通」かな。

【評価度】

評価度:9

シナリオゲーとして見たときには、トップクラスの作品だったと思います。

一方で美少女ゲーム(恋愛ゲーム)として見ると、各ヒロインのルートに至る経緯や動機付けが弱かったかなとは印象はありました。

上記の点はシナリオゲーにはありがちですが、他の同種の作品と比較してもやや目立っていたかなと感じました。

あと、世界観(というか設定)だったり主人公のとある点に関する状況が、某作品(名前を出すだけで一発でネタバレになるので伏せますが)とかなり似通っていて「ああ、この手の類か」となってしまったのもあって、最大評価までは届かなかったかなあと。

 

【おすすめ度】

おすすめ度:9

シナリオゲーが好きな人はプレイして損はない作品かと思います。

一方で恋愛要素が弱めな印象なので、その点にはご注意を。

あと、True以外の個別ルートに関しては、割とぶつ切りで話が完結します。

その辺りはTrueで一応回収されるのですが、微妙に感じる人も一定数は居るかと思われます。

 

【その他感想】

2016年に発売されてから、ずっと心に引っかかっていた作品でした。

発売された当時から気になってはいた作品だったのですが、とある理由でプレイを躊躇っていたのですが、そろそろ消化すべきかなと思いプレイしました。

躊躇っていた理由は、裸体に何となくの忌避感を受けたというだけなのですが。

(決して下手とかではなく、非常に美麗なため余計に印象が強かったんですよね)

 

プレイした感想としてはツイッターにもコメントしましたが、「噂に違わぬ傑作」だなと感じました。

まず、導入の部分がとても新鮮でしたね。

出だしの進行がヒロインの1人である日向子視点で進むことによって「ヒロインから見た世界」「ヒロインから見た主人公」がどのように映っているのかがとても掴みやすかったと思います。

まあそれゆえ、彼女のルートがTRUEで無いことには若干の残念さがあったのも事実ですが・・・(個人的にはやはり日向子を応援したかった)。

True以外のルートに関しては評価しづらい部分も多いのですが、Trueのルートはそれを補って余りある作品だったと思います。

この手の、「他のルートを継承してのTRUE」となっている作品は特に好物なんですよね(ハピメアとかもそんな感じですね)。

 

作品全体を通して特に良かったと思うのは、強いメッセージ性とその表現方法(演出)でした。

傷ついた人が再起するために必要なこと、それがとても丁寧に且つ一貫して表現されていて、「頑張ろう」「前へ進もう」という気持ちにさせてくれる作品だったと思います。

二重奏からグランドEDが流れるあたりのシーンは、まさに「万感の思い」で見届けていました。

 

ひとまずは、この素敵な作品とその結末に感謝を。

機を見て、「TrymenT」の方もプレイしてみようと思います。