out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

創作彼女の恋愛公式/Aino+Links 感想

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【シナリオ】

全体を通して考えると、良作以上ではあったと思います。

共通ルートに関しては各章にテーマと意味を持たせ、ヒロインの魅力を上手く引き出していたかと思います。

共通ルートが長い分だけ個別ルートは短めにも感じるのですが、それでも表現したいことは十分表現されていたかと。

一方で、逢桜ルートの展開と結末が私の中では現時点で腑に落ちておらず、「傑作」と呼べる域には届かなかったのもまた事実ですね。

 

【キャラ・CG】

各キャラとも、とても魅力的だったと思います。

サブキャラが比較的多い印象ですが、それぞれにしっかり「役割」と「バックボーン」が存在し、いわゆる「無駄なキャラ」は1人もいなかったと思います。

CGに関しても枚数は十分かつ美麗で、文句のつけようがありませんでした。

どのキャラが一番好きだったかを明確に決めるのは難しいですが、あえて誰か1人を推すとすれば、桐葉でしょうか。

個別ルートにおける主人公との恋愛模様も好きでしたが、桐葉の性格や言動、在り方に共感と尊敬の念を抱いたことが一番大きいです。

あと照れ顔がとても可愛かったですね、はい。

【BGM】

こちらも高いクオリティであったと思います。

一番好きなBGMは主題歌のピアノアレンジでしょうか。

穏やかで温かめな曲が多いのですが、その中でどこか「哀」の感情を持つこの曲はとても美しかったと思います。

【歌】

今年発売のゲームの中では、かなり上位かなと思います。

ただ私の評価基準的に、作品そのものの評価と歌の評価を切り離すことが出来ないので、どうしても評価が伸び切らなかったですね。

なんとも残念というか、もったいないというか。

【システム】

 一定水準以上ではあったかなと思います。

欲しい機能は大体網羅していて、少なくとも私のマシン環境上では安定的に動作していたので不満は殆ど無かったです(他の方のコメント等を見る限り、環境によってはトラブるのかも?)。

強いて言うなら、ウィンドウモードにした際に画面の左上に張り付いてしまって、なんとも見づらかった点でしょうか(まあ後に改善したので、大した問題ではないです)。

【評価度】

評価度:8

なんとも難しい評価になりました。

もう一段上げるべきかと思わないこともないですが、逆に下げるべきではという思いもあり。

そんな思いを折衷して、この数字になってます。

【おすすめ度】

おすすめ度:8

何となく察することが出来る方は多いと思いますが、逢桜ルートは「そういう内容」です。

それを把握した上で、それでも構わないという人にとってはお勧めできる作品かと思います。

そういう内容が受け入れらない人にとっては地雷と化してしまう恐れが高いのでご注意を。

 

【その他感想】

以降で具体的な感想を述べているのですが、割と重篤なネタバレもありますのでご注意を。

 

 

 

 

 

 

作品としての評価ですが「シナリオ」の欄にも記載しましたが、良い作品か否かと言われたら良い作品であったと思います。

エロゲとして求められる基本的なスペックはどれも水準以上ですし、エレナルート桐葉ルートは素直にお勧めできる内容でした(ゆめみルートも悪くないのですが、前者2つに比べるとやや劣るかなというのが率直な感想)。

グランドルートである逢桜ルートも、話の造りとしては悪くなかったと思います。

隠されていた情報を開示しつつ、他の3人のルートの内容を継承した上で成り立つルート展開は、どちらかというと好きな部類だったりしますので。

 

ただ、逢桜ルートのストーリーの進み方と最後の結末は、やっぱり「うーん・・・」ってなっちゃったんですよね。

正直なところ、体験版をプレイする前から逢桜ルートの結末は何となく予期できていて、体験版をプレイした時点でほぼ確信に変わっていました。

ある意味予定通りに進行し、そして結末に至ったわけですが、それでも何とも複雑な感情になっているというのが素直な気持ちです。

まず前提として、私は別離エンドは否定しません。

なにせ、評価・おすすめの両方で満点を唯一記録してるのが「さくレット」な訳ですしね。

ただ、別離エンドを辿るには「さくレット」クラスの納得感が必要になるなあと、改めて感じた次第です。

逢桜ルートをプレイしている中で特に引っかかったのが、この作品は「リアリティに沿った作品」なのか「物語であることを前提とした作品」なのかが定められなかった点でした。

物語としての理想(いわゆる「お約束」)を外す流れを辿る一方、現実味の無い展開も散見されたことで、どういう心持ちで作品と向き合えばよいかが迷子になっちゃった感じですね。

それを強く感じたのは、「逃避行」と「手術」に関する展開でしょうか。

特に後者に関しては「割と唐突に湧いて出た一方であの結末」というのが、咀嚼しきれていないというか異物として残っているというか。

恐らく、後日に公開が予定されている「ifルート」の為に必要だったのだろうとは推察できるのですが・・・。

 

そんな感じで、作品としてのクオリティの割に個人的評価が伸び切らなかったというのが、まとめとしての感想ですね。

しかし一方でこの作品をもっと評価したいという思いも綯い交ぜになっているので、もしも製作側がこれを望んでいたのであれば、意図通りといったところなのかもしれません。

もっとも現状の心境的に、次回作以降は「絶対購入」とはならず様子見をせざるを得ないですが。

 

さしあたって今望むこととしては、「ifルート」の早い段階での公開ですね。

期間が経てばたつほど、作品に対する熱量も冷めていき評価も固まってしまって、「この作品をもっと評価したい」という思いが達成できなくなってしまうので。

もし「ifルート」が自分にとって腑に落ちるものであれば、また改めて感想は更新したいなと思っています。