out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

精霊幻想記のアニメを通しての所感

まず初めに、予算が潤沢ではないであろう中で一定のクオリティのまま12話まで保って下さったことは有難いと思います。


キャラデザに関しては原作とかなり変わってるところがあり正直不安でしたが、回が進むごとに違和感もなくなっていったかなと思います。
まあ注文を付けるのであれば、パケ絵はもう少し「買わせる構図」を練って欲しかったかなとは思っちゃいました。
(今振り返ると、「Re:ステージ」はそういうところも上手かったなと思いますね)

 

個人的にやっぱり引っかかってしまう点が「戦闘シーン」「ストーリーの改変」なんですよね。
戦闘シーンに関しては、ちょっと迫力がなさ過ぎたのは否定できないですね。
対人のシーンはまあ良いんですが、いわゆるデカブツ相手のシーンが力感が足りてなく、なんというか「薄い」「軽い」印象がどうしても残ってしまいました。
もし2期があるのであれば、この点については改善してほしいなあというのが率直な印象。
ユーフォみたいな超絶シーンは求めてないですが、それでも最低ラインはあると思うので。

 

で、ストーリーに関してですが途中までは上手いこと削ったり改変したりしていたかと思うのですが、4巻をすっ飛ばしたのは何度考えても悪手にしか思えませんでした。
単純に話の流れだけ考えればセリア先生を救出して終わるのが綺麗なのですが、この作品が「前世と現世がクロスする異世界転生モノ」ある以上、前世の象徴である美春の登場は必須なんですよね。
そうなると最後はあの展開になるのは自明で、結果としてもの凄く微妙な状況で終わってしまうことになるのもまた自明。


原作を追ってる人からすれば「なんで入れ替えたんだろう?」「美春の扱いが雑じゃね?」ってなりますし、アニメから入った人にとっては「何これ?」「これで終わり?」「最後に登場したキャラ達はどういうこと?」ってなっちゃいますよね。
これを回避するには原作の流れの通りに、4巻→5巻と進めるしかなかったのでは?と思わざるを得ないです。

 

個人的には3巻の内容に関してはばっさり削っても良かったと思っています。
確かに3巻の内容も重要ではあるのですが、それが活きてくるのってリオが王族の血筋であることがストーリーに影響してきてからなんですよね。
それが対外的に影響してくるのはかなり先の話なので、1期のタイミングでマストではなかったと思います(実際に影響が出てくるのは11巻以降かな・・・?)。
「ヤグモ地方に行ってきたこと」「家族がいたこと」「何らかの決意を固めたこと」だけを描写すれば、話は成立したかと思っています。
人気が出て3期以降が作られるようになるなら、そのタイミングで過去編として挟み込めばよかったかと。
もちろんそれでも100点には遠いのですが、4巻と5巻の時系列を入れ替えた結果として尻切れトンボで終わるよりはずっとマシだったと思います。


アニメ終了と同時に2期の発表があればフォローもできたかと思いますが、そういった情報もないので中々に厳しい・・・。
ツイッター上で感想コメントを読んでも終わり方への言及が殊更に多かったので、大多数の方が同じような感想を持たれたのではないでしょうか。
(先の例に挙げた「Re:ステージ」は話をしっかりとまとめつつ、2期が来てもおかしくない展開だったので終わり方に関しても上手かったかなと思います)

 

総評としては「大体は上手くやったけど、重要な点を1つしくじったために評価が伸びきらなかった」といった感じでしょうか。
今言えることとしては、早い段階での2期の告知が望まれるということですね。
時間が空くと、多分すぐに忘れられるので。