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ゲームの感想などを書いてます。

保健室のセンセーとシャボン玉中毒の助手/ Citrus 感想

タンポポ花言葉は、真心の愛。そして、別離――――

【評価ポイント】

一番評価しているポイントは、丁寧な作品作りとクオリティそのものでしょうか。

低価格帯のゲームながら、総じてレベルが高い作品であったと思います。

CG、シナリオ、キャラ性、BGMどれをとってもフルプラ作品に引けを取らないと個人的に感じました(無論、攻略キャラは絞られてますが)。

【マイナスポイント】

重要なサブキャラの一部にビジュアルが無いのが、個人的に結構引っ掛かってしまいましたね。

普段であれば「まあロープラだし」で片付くものではあるのですが、全体的に丁寧な作品なだけに余計に目立った感があります。

あと、作品の在り方的にシロバナ以外のルートが作られる可能性は今後もゼロ(に限りなく近い)のも、「残念な点」ではありますね。

まあこれは仕方ないですが。

 

【評価度】

評価度:8

9をつけようかなとも思ったのですが、他作品とのバランスも鑑みて8になってます。

ただ、本当に良い作品ではあったと思います。

【おすすめ度】

おすすめ度:8

さくレット程ではないですが、広範囲の方にお勧めできる作品だと思います。

キャラデザやストーリー紹介などを確認して、興味がわいたらぜひ買ってほしいですね。

 

【その他感想】

プレイ序盤から、「あ、この作品は当たりだな」と確信しましたね。

キャラ付けやキャラ同士の掛け合い、テキストの運びが非常に丁寧で、かつ心地の良いものだったのがその理由です。

特にシロバナに関しては、加減を間違えるとうざいキャラに落ちかねないところを、上手くコントロールして、非常に愛らしいキャラに仕立てていたと思います。

他のキャラについては、やはり咲羽が印象に残ってますね。

ツンツンしているのに面倒見が良いという性格で、各キャラとの掛け合いも非常に楽しいものだったと思います。

彼女の存在は、蒼空にとっても非常に得難いものであったのは間違いないでしょう。

この作品がミドルプライス以上であれば真っ先に攻略候補になりそうですが、なんとも残念ですねえ・・・。

 

シナリオ面に目を向けると、「死」と「別離」というものをどう扱うかがこの作品の肝であったと思います。

「安易な方向には転がさず、さりとてただ悲劇的にするのではない」

そのような意思をこの作品からは感じました。

この作品の中に登場する3つの「別れ」。

それぞれにおいて、違った決断がもしかしたらあったのかもしれません。

ただ私としては、実際に選ばれた選択が「最もあるべき姿」であったと思いますし、美しい結末であったと思います。

 

別れることの寂寥感と、それでも前を向いて歩む勇気。

そんな、前向きで温かなメッセージを受け取れる得難い作品であったと思います。

この作品がもっと多くの方にプレイしてもらえることを願っております。