out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

9-nine-そらいろそらうたそらのおと/ぱれっと 感想

【評価ポイント】

ロープライスにしては、起承転結がしっかりしていたと思います。
「起」については、前作をプレイしていることが前提の描写にはなっていますが、プレイしていなくても理解できないということはありませんでした。
その上で「この作品としての結」までしっかりもっていったと思います。
また攻略対象の天は中々の良妹で、主人公との掛け合い(とくに軽口)は楽しかったですね。
あと、米倉千尋さんが歌われていることもあって歌に関してはイチオシです、はい。

【マイナスポイント】

評価ポイントと相反する感じにはなるのですが、やっぱり売り方と作品として描きたい内容がミスマッチな気がするのですよね。
この作品こそ「アオイトリ」的な作りにして、フルプライスで出すべきなのではと思ってしまいました。
作品として中々面白かっただけに、「この後数ヶ月待った上で」「別のパッケージを購入する必要がある」というのがモヤっとする感じです。

【評価度】

評価度:8
前作未プレイなこともあって上手く入れるか不安もありましたが、特に問題なく進められました。
システム面や演出面、展開も上々だったと思います。

【おすすめ度】

おすすめ度:8
前作の評価があまり高くないので警戒している方もいるのかもですが、普通に面白いと思うので是非プレイして欲しいですね。
また、未プレイの方も上記で触れているように問題なく進められると思うので、この作品から入っても良いと思いますよ。

【その他感想】

色々な経緯から前作は結局見送った状態でのプレイになりました。
本当は今作も見送ろうかなあと思っていたのですが、銀髪妹キャラが対象とあってはスルーも出来ず・・・。
結果としては買って良かった作品でした。
思ったよりも展開がしっかりしていて、また攻略対象ヒロインの天の魅力もしっかりと表現されていたと思います。
TRUEのルートで主人公が天の想いに対して最終的にどう答えるのかは個人的なチェックポイントでもあったのですが、まあエロゲという意味では妥当な落としどころだったのかなと思いました。
ちなみに、分岐点後の台詞は「良く言った!」という感じに関心していました。
天ばかりに注目しがちですが、翔も「お兄ちゃん」であったと思います。

歌に関しては前作と同じくちっひーが担当されているわけですが、個人的には今作の方が好きだったりします。
またどこかで聴きたいと思うので、次回のEGGがあるのであれば是非呼んでいただきたいですね。
そのときは「恋せよ乙女!」もお願いします・・・。

本当は作品の考察を深堀っていきたいところではあるのですが、如何せん開示されている情報が限定的なので中々難しいところだったりします。
とりあえず今思ってることとしては、ソフィがキュゥ○えにしか見えねえとか、ゴーストのアレはAUOのゲートオブ○ビロンだよなあとか、そんなことでしょうか。
次回作については攻略対象ヒロイン次第ですが、見極めたうえで購入するか検討になりそうです。
お話の構成的に、考えなしに飛びつくと痛い目見る可能性があるので。

 

そういえば、去年の今頃(正確には2月くらい)も妹が○○るゲームをやってたような・・・。

あれも昨年ではトップクラスの良妹キャラでしたが。

ロスト・エコーズ/petitlinge 感想

【評価ポイント】

ストーリーの構成や展開自体は、当初想定したよりもずっと良かったです。
キャラ同士の掛け合わせが小気味良く、シリアスな場面とそうでない場面の切り替えも上手かったです。
またキャラとして単体の魅力も、きちんと表現された作品だったのではと思います。

【マイナスポイント】

演出であったりシーンそのものの見せ方、その他「全般的なクオリティ」という点で、もう少しがんばって欲しかったなあと感じました。
特にCGとテキストの不一致は、例え瞬間的な場面であってもユーザーの印象には残るので、注意いただきたいところです。

【評価度】

評価度:8
正直なところ、延期に延期が重なっていたためハードルが下がっている面は否めません。
ただそれでも、展開は面白かったですし個人的には十分楽しめました。

【おすすめ度】

おすすめ度:7
個別ルートがなければ「6」をつけることになるかもなあと、当初は思っていました。
が、各キャラの個別パート(特に結佳ルート)が予想外に良かったので1ランクアップで。

【その他感想】

色々な理由で延期が重なっていたので、2月に出ると聞いた時には「マジかよ」と思いました。
バグが満載orシナリオががっつり削られているという可能性も考えていたのですが、結論としてはそんなことは無かったですね。
話の展開としては、とある災厄を回避するため過去に赴き改変するという共通パートと、その後に展開される個別パートに大別されます。
この作品の魅力の1つとして、共通パートの内容がその後の個別パートに色濃く影響するという点でしょうか。
要は「過去改変によって発生する影響について、個別パートでもう一度向き合う必要がある」ということです。
多少ご都合主義や強引な展開もありましたが、全体的なストーリーの構成としてはとても良かったと思います。
ストーリー構成でいうと、琥珀ルートを終えてから結佳ルートをプレイすることで、結佳ルートがより引き立つ作りになっており、既にプレイされた方は共感いただけるのではと思いますが、非常に上手いみせ方だったと思います。
ただ個人的には、結佳ルートの最後で琥珀(というか千羽耶)にもう少し描写が欲しかったですね。

キャラについては、各々のキャラが個性的で且つ差別化されていたと思います。
その上でプレイし終わった時にはどのキャラも好きになる、良いお話だったと思います。
例を挙げると、雛緒については最初は受け入れられないかもと思っていたのですが、進めていく中で良い感じにシリアスをブレイクしてくれる有難いキャラになってました。主人公がどうも考えすぎな面があるので、対比としても良かったと思います。

あと、花蓮については最初は「何か小うるさい犬っぽい」という印象だったのですが、過去編を体験することで印象が180度変わりましたね(やっぱり犬なのは変わりませんが)。
この子の個別ルートも欲しいくらいに。
他のキャラも、人となりが分かるにつれて評価もどんどん上がっていきました。

 

残念な点について、やっぱり全般的なクオリティ面での不足ですね。
自分の場合どうしても「パープルソフトの作品との比較」になるので、そういった点からするともう少し上を目指して欲しいなと思いました。
特にCGとテキストの不一致や前後でのCGの矛盾(過去編で私服から制服に切り替わっていたり等)は、一気に没入感もなくなるので評価の上でもダメージが大きかったりします。
ストーリー自体の構成とキャラに関する魅力はとても良かっただけに、より残念に感じました。
ぶっちゃけた話、そういった部分がしっかりと出来ていれば、どこかのサイトの何らかの賞(シナリオとかゲームデザインとか)も狙えたのではと思っています。

次回作ではその点を改善した上で、今作のような「面白い」作品を作っていただければと思います。

 

最後に作品をやり終えて思った感想を。
加弥姫さま、あなた想いが強すぎじゃありませんか・・・。
決して否定しているわけではないです、はい。

トリノライン ジェネシス/minori 感想

感想【評価ポイント】

まずグラフィックは、前作同様最高水準でした。
それは前提として、一番良いと思ったのは「正しくFDであった」ことでしょうか。
本編をプレイしたユーザーが望んでいる内容がきちんと盛り込まれており、買ってよかったと素直に思えました。

アンケートを事前にとったことも良かったのだと思います。

FDなんだからファンが喜ぶものを作る、という姿勢はやっぱり大事だと思います。

【マイナスポイント】

ボリュームという面で、全般的にもう少し欲しかったというのが実情でしょうか。

FDであることや値段面からすると、妥当なのかもしれないですが。

【評価度】

評価度:8
個人的に特に評価が高いのはシロネルートと夕梨ルートです。
夕梨可愛い。

【おすすめ度】

おすすめ度:8
あくまで本編をプレイしている前提ですが。
シロネのお話はとても「救われた」感があったので、本編で傷を負った人にこそプレイして欲しいです。

【その他感想】

個人的なランキングを付けるなら、「アオイトリ」と並んで去年のベストゲームだった「トリノライン」のFDということで、とても期待してました。
ボリューム面でもう少し欲しかったなというは確かですが、それでも十分楽しめた作品でした。

ハナコと綾花のお話は、2人がシュンと結ばれるならどういう展開かという内容になるわけですが、中々興味深かったです。
流石に作りこみに関しては尺が足りないのですが、流れという面では面白かったと思います。

 

メインの3人については、どのルートもそれぞれの良さがありましたが、やはりシロネルートが本当に良かったです。
本編ではああいう結末になったわけですが、「IFとして描かれた世界」はとても優しく穏やかで暖かな世界でした。
シロネにはシュンの隣で笑っていて欲しいという思いが、ずっと自分の心にあったのだと実感しました。
ただこの感動も、本編のあの辛い結末を知っているが故ではあるわけですが。

なので、あの本編の結末も大切な思い出として心に刻もうと思います。

 

沙羅のルートに関してはもう少しアンドロイド寄りな話になるかと思っていたのですが、思ったよりもシンプルにシュンとの関係性の話でしたね。
本編ではあれほどドラマチックに結ばれた二人ですが、それでも隔絶の期間による距離感に戸惑う様は、とある作品の言葉を思い出しました。

「大切におもっているから何もいえなくなってしまう、訊けなくなってしまう。そして接し方が分からなくなってしまう」

まあ今回はそこまで深刻なものではなかったのですが、それでも二人のズレもそういった想いからであって、それはとても尊いものだと思いました。

夕梨ルートは、うん、ひたすら夕梨が可愛かった印象ですね。
色んな表情の夕梨が見れて、ニヤニヤしながら進めてました。
中でもあの衣装とあの衣装は、似合っていて綺麗で可愛くて最高でした。
唯一不満があるとすれば、何であっちの衣装でHシーンはなかったんですかねえ・・・。

猫耳・・・)

 

沢山の思いを残したトリノラインという作品ですが、これで一区切りですかね。
最後に一つ思うことは、この世界の10年後、20年後の作品が作られたら嬉しいなあということでしょうか。
本編で沙羅が最後に言っていた「トリノが繋いだ道」が実現した世界が見たいです。
そこにゲストキャラで今回のキャラ達が出てくると更に嬉しい、みたいな感じです。
まあ実現は無いのでしょうが、それでもそれを夢見ておこうと今は思っています。

 

minoriさん、楽しい作品をありがとうございました!

ゆらめく心に満ちた世界で、君の夢と欲望は叶うか/CUBE 感想

【評価ポイント】

設定であったり、1つ1つの情報の出し方が特に良かったと思います。
攻略ルートにもよるのでしょうが、巴→このは→月乃→すみれと進んでいくと、適切なタイミングで情報が開示されていったと思います。
(まあ月乃に関しては、最後にもう1ルートというか分岐が発生するわけですが)
読み進める上で、「今は一体どういう状態なんだろう」「このキャラの真意はどこにある?」といった考察がとても楽しかったですね。
あとは、舞台回しのキャラとしてクロ&シロと、すみれの2人(というか2パターン)存在することもあり、進行スピード的な面でもちょうど良かったと思います。

【マイナスポイント】

アオイトリ」の後にプレイしたこともあって、全体的なクオリティという面でやや落ちるなあと感じました。
特に導入の部分と月乃の扱いに関しては、もう少し丁寧な作りこみが欲しかったかもです。
ただ月乃に関しては力を入れすぎると、作品自体がかなり重たくなってしまう恐れもあるので難しいところですが。

【評価度】

評価度:8
購入してからプレイするまで時間が空いたこともあり、他の方の評価なども目に入る中で不安もありました。
が、実際にプレイしてみると、とても楽しかったというか自分に合っていた感じでした。
キャラ的な話で言うと、すみれは17年のヒロインの中では1,2を争うくらいに好きになりましたね。

【おすすめ度】

おすすめ度:7
マイナスポイントとして上げた部分を考慮すると、「躊躇い無くお勧め!」はちょっと難しいかもと思います。
ご都合主義的な展開もOKな人であれば、十分楽しめると思います。

【その他感想】

パッケージの絵柄をみて、一目で購入を確定させた商品でした。
他人にとってあまり意味が無い気もするので評価ポイントには上げませんでしたが、パケ絵だけであれば間違いなく17年の個人的ベストゲームです。

アオイトリ」とどっちを先に済ませようかと考えていたらどっちも中々進まず、年をまたぐことになっちゃいました。
ただ、積まずにプレイして良かったと思える作品でしたね。

全体としての「見せ方」が個人的にはとても上手く感じられ、一番好きなキャラであるすみれのルートで全部片付いたのは嬉しかったです。
ぶっちゃけた話、他のキャラのルートを進めている最中でもすみれの言動が気になり、どういう伏線なんだろうとずっと考えていました。
最終的に開示される(でも初期から示唆されている)「設定」がとてもツボにはまったこともあり、更に好きになったキャラです。
(17年のゲームの中で同ランクで好きなのが「神ヤバ」の麗なので、結局そういうシュミかと感じましたが・・・)

 

作品全体としての話をすると、やっぱり「考察」が楽しい作品でした。
「アペイリア」のように複雑怪奇極まる事象について頭をプスプス言わせながら読み解くのではなく(アレも楽しいのですが)
与えられた断片的な情報を元に、先の展開であったりキャラの深層心理であったりを考えるという素直な作品だったと思います。

 

以下は割りと作品のネタバレになるのですが。

 

全ルートをプレイした後に思ったのは、すみれの心情でした。
あの場面で彼女はどう思っていたのか、あの時発した言葉はどういう思いから発したのか。
特に心に残っているのが、「何故、葵を自分に惚れさせようとしていたのか」ですね。
当初の目的を果たすには、他の選択肢はあったはずなのにあえてそういう行動をとった理由。
そのことに思いを馳せると、微苦笑が浮かんできたりします。
最初から答えなんてきまっていたのではないか、と。
そんなところも彼女の魅力の1つなのだと思いますね。

というわけで「おすすめ度」は「7」と辛めな評価なのですが、本当は沢山の人にプレイして欲しい作品ですね。
(そしてすみれに関する感触を聴きたい・・・)

葵とすみれの行く先は艱難辛苦に満ち溢れているのは想像に難くないですが、その更に先は幸せが待っていると信じたい、そんな作品でした。

アオイトリ/Purple software 感想

【評価ポイント】

基本的に、あらゆる項目において標準は大きく超えていると思います。
流石パープルソフトさんといった感じでした。
特にシナリオ構成に関しては、あかりルートを如何に際立たせるかが緻密に計算されていて素晴らしいの一言だと思います。
また、音楽(特にBGM)に関しては、私が今年プレイした作品ではトップレベルの出来栄えでした。
CG、キャラに関しても高水準であったと思います。

【マイナスポイント】

あかりルート以外がシナリオとしてインパクトがやや弱かったのが、個人的に残念な点でしょうか。
前作の「アマツツミ」の場合、「こころ」「響子」「愛」の本筋ルートを受けて、文字通り「辿り着いた」ほたるルートだったのですが「アオイトリ」は「あかり」ルートを主軸に考えた場合、他のキャラのルートがIFに近い形になったのも影響しているかもしれません。

また、原画家さんの体制が今回は今までと違うわけですが、やはりこれまでに比べると差異はあったかなあというのが正直な感想です。
初の作品にしては良く合わせてきたと思いますが、体制を変更したメリットをプレイヤーが享受できたかという点では疑問符がつきます。
まあスタッフの体制については、社内の事情や戦略に寄るところが大きいのでしょうが。
(ただ、その場合ロープラ作品のほうももう少し宣伝を考えるべきではと思いますが・・・)

【評価度】

評価度:9
「アマツツミ」の後の作品且つ似た雰囲気ということで、どこまで楽しめるか最初は不安でした。
しかし当初の期待値よりはずっと高いところに着地したと思います。

【おすすめ度】

おすすめ度:9
前作に引き続き、複数の女性と関係を持つ格好になるので、そのことに忌避感があると厳しいです。
ただ、誰かを選んでからは基本的にそういった関係を避ける方向に向かうので、前作ほど気にする必要もないと思います。
その上で、最初にも記載しましたようにあらゆる面でハイクオリティなので、是非プレイして欲しい作品ですね。

【その他感想】

購入してからクリアするまで(実際には手をつけるまで)に時間がかかりました。
やっぱり前作の「アマツツミ」がとても素敵な作品だったので、それと比較するとどうなんだろうというのがずっと心にあったからだと思います。
まあそれでも結局こうして楽しめたので、良かったというのが最終的な感想ですね。
以下に少し具体的な感想を記載します(あかりルートに対する思いは最後に)。

シナリオ構成については前作同様、メインヒロインのルートが強く引き立つ格好になっている一方、それ以外のルートについては色々と工夫してきたことが伺えました。
今回の試みはとても良かったと思いますが、それだけに個々のルートでもう少し強さが欲しかったかなあという思いも。
キャラに関していうと、デザインや在り様についてはメアリーが非常に好きですね。
ただトゥルーのルートにはあまり深く関わらないので、インパクトという面であかりと二分されてしまったかなという印象です。
(「アマツツミ」の場合、一番好きなキャラがほたるであったこともあり、逆により高評価に繋がった格好です)
上記の理由で、シナリオとキャラに関しては「前作と同等以上」までは行かなかったですね。

 

音楽に関しては、BGMが個人的に良かったなあと思っています。
特にオープニングのアレンジである「THEME」シリーズは、前作同様に作品にピタっとはまっていたと思います。
楽曲に関しては、「アマツツミ」の方がという思いはあるのですが、そもそも「アマツツミ」が強すぎたという結論にしかならないと思います。
(特に「こころに響く恋ほたる」は私の中では、ここ数年のエロゲソングの中で間違いなく最上位に位置しているので)
2017年発売のゲームという点で見ると、間違いなくトップレベルで好きな曲達でした。

 

とまあ定性的な感想を固い感じで記載してきたわけですが、ここからは本題ともいえるあかりルートに対する所感を。
一言でいうと素晴らしかったと思います。
「普通」であるあかりの「特別」に対する羨望と絶望、憎悪は、あかりの独白から痛いほど伝わってきました。
理路整然としているようで支離滅裂で、その感情はダイレクトに理解できました。
その後の「トゥルールート」では、あかりの視点に立って追体験することにより、彼女が何を思い、何を望み、どうあろうとしたのかが細やかに描かれていて、特に彼女の「善性」を強く感じられました。
また、律に対する愛の深さも。
結末を知っているが故にプレイヤーとしては辛い思いで読み進めていましたが、そういった部分も含めて製作側の意図通りであったのではと思います。
作中では「普通」な人は「特別」な力をもってもやっぱり「普通」で、「特別」な人はその力を失ってもやはり「特別」と表現されていました(要は在り様なのだと)。
それに則るなら死の瞬間まで、愛する人のため或いは友人のために全てを偽ってみせたあかりは、やはり「特別」な存在だったのではと感じました。

作品を通して、印象に残ったワードが1つ(実際はもっとありますが)
「始まりにあるのは言葉」
この作品は、そしてあかりは、正にこの言葉を体現したような存在であったと思います。
あの独白も、生きたいという叫びも、日々の感謝の言葉も、それらがあったからあのエンディングに繋がったのだと。
そういった意味で、「アマツツミ」とは違った形で「言葉」を大事にした作品であったなと思います。

 

最後に、次のパープルさんの作品への期待を。
ぶっちゃけた話をすると、「ハピメア」クラスのキャラと「アマツツミ」クラスの音楽とテキスト、CG。そして「アオイトリ」のようなシナリオのギミックを持つ作品を期待します。
割と無茶なことを言っているような気もするのですが、それが出来るメーカーさんだと信じていますので、よろしくお願いします。
あと、3rdLiveの開催もなるべく早々にしていただけると有難いですね。
(EGGはとても良かった。しかし曲数が圧倒的に足りない・・・)

景の海のアペイリア/シルキーズプラスDOLCE 感想

【評価ポイント】

本作品の魅力は、なんと言ってもストーリーの構成にあると思います。
繰り返す時間の中で、「真実が何なのかを推理する楽しさ」がしっかりと作りこまれていたと思います。
また、その最終的な結末(=タイムループの理由)についても割りと納得感があって良いものでした。

 

【マイナスポイント】

作品のつくり上仕方の無いことではありますが、最初のヒロインルートが終わった後に、「あと3回は絶対ループするのか」と少々げんなりしたことは事実です。
主人公視点だとそうではないのでしょうが、第三者視点で見てると少しモヤっとしました。

 

【評価度】

評価度:8
AI関連の作品ということで最初から期待は高かったのですが、その期待以上の作品であったと思います。
キャラに関しても、各々の魅力がしっかりと引き出されていたと思います。

 

【おすすめ度】

おすすめ度:8
考察モノが好きな方は一回はプレイされたほうが良いのではと思います。
ただまあハーレム系でもあるので、その辺との兼ね合いではあると思いますが。

 

【その他感想】

そのテーマ性から、トリノラインと並んで今年の2大期待作品でした。
結論としては、ややSFよりになっていたものの面白い作品であったと思います。
プレイしている最中の印象ですが、以下のように推移しました。

「やっぱSAOぽいなあ」:セカンドがデスゲームになったところで
ハピメアかこれは」:タイムループしたところで
ゲットバッカーズだな、うん」:元の時間軸自体が仮想世界だったところで

 

こうしてみると、色んな要素が詰まってる作品でしたね。
でも作品として「散らかっている」という印象は無かったので、本当に良く作りこまれていたと思います。
最終的にハーレム状態に辿り着くのは作品の展開から何となく予想できましたし、悪くなかったと思います。
(しかし、サクラノモリ2に続いて7月作品が2作連続とは・・・)

 

キャラクターでは誰が一番好きかを決めるのは難しい作品でしたが、在り方としてはシンカーが舞亜に似ていて、何か良いなと思いました。
自分の全てを偽ってでも大切なものを守り抜こうとした彼の姿勢、ある種の敬服すら覚えます。

 

以下はテーマ性に対する心情になるのですが、基本的にはトリノラインの時と変わらないです。
作中で現実の科学者や零一たちが恐れていた「技術的特異点」、それが仮に起こったときにどうする(どうなる)のかは今は到底想像がつかないものです。
ただ率直な思いとしては、自分は見てみたいと思いますね。

またAIとの恋愛については、この手の作品では色々と考えることも多いのですが、本作品に限ってはあまりそういったことを意識する必要は無いのかなというのが結論です。
なにせ主人公自身がAIで、でもしっかりと恋愛は出来ていたのですから。

そして、出来ればそうあるといいな、というのが私自身の思いでもあります。

 

こういう作品に触れるたびに、やっぱり「棄てプリスクラップド・プリンセス)を思い出します。
そこで描かれた世界や、キャラクター達のコメントを。
今はもう古い作品ですが、是非一度は読んで欲しい物語だったりします。

春音アリス*グラム/NanaWind 感想

 【評価ポイント】

個人的に一番良かった点としては、1つ1つのシーンでのキャラ同士の掛け合いですね。
何気ないやり取りでも、ヒロインの魅力が際立つようになっていて、良い「キャラ萌え」なゲームだったと思います。
あとはシステム面ですかね。
前作踏襲のシステムではあったと思いますが、使い勝手や学園内でのシーン切り替え時の演出などは好きでした。
また、一日の終わりに別のキャラ視点で振り返る「iTalk」はシナリオの補完という意味でも良い試みだったと思います。

【マイナスポイント】

評価ポイントに1つ1つのシーンが良かったと記載したのですが、総体として見るとやはり長すぎたと思います。
各ヒロインそれぞれの中心パートが設けられていて、それを全て消化した後に個別パートに分岐するというシナリオ構成なのも相まって、個別パートに入る前にダレてしまったのが正直なところです。
あと、作品外の要因にはなるのですが、リリースに至るまでの進め方も心象としてよろしくなかったです。

【評価度】

評価度:7

個人的な評価が伸びなかった理由は、マイナスポイントの後者が理由ですね。
度重なる遅延と、ギリギリになってアクティベートを不意打ちのように差し込んだ振る舞いは、事情があったであろうことを鑑みても納得しがたいものでした。

【おすすめ度】

おすすめ度:8

評価で記載した内容はあくまで個人的な理由ですので、これから購入される方にはさほど影響は無いでしょう。
作品内ではマイナスの要因はほぼ無いと思いますし、キャラなどをチェックして興味が沸いたなら購入されることをおすすめします。
前作の設定などを受けているところはありますが、前作をやってないとわからないというわけでもないので、その辺はご安心を。

【その他感想】

なんというか、色々と難しい作品でした。
リリースされるまでのこともそうですが、実際にプレイしてみても「個別に入るまで時間かかりすぎ!」というのが最初の印象で、危うく積みゲー化するところでした。
ただまあ個別に入ってからは、どのルートもそれなりに楽しめたと思います。
シナリオゲーではないので、びっくりするほどの感情の起伏は殆ど無かったですが、それでも優理ルートは良く出来ていたかと思います。
ただぶっちゃけた話、一番攻略したいキャラは朝陽でした(次いで乃々花と梢という・・・)。
その辺が何とも残念な感じで、何かしら救済的なものは無いのかなと思ってしまったり。

恐らく次に出す作品も買うことになるとは思うのですが、今回のような作品作りの進行は出来ればナシでお願いしたいものです。
延期も一度なら許容できますが、二度三度となっていくとモチベ自体が著しく低下してしまうので・・・。