out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

ロスト・エコーズ/petitlinge 感想

【評価ポイント】

ストーリーの構成や展開自体は、当初想定したよりもずっと良かったです。
キャラ同士の掛け合わせが小気味良く、シリアスな場面とそうでない場面の切り替えも上手かったです。
またキャラとして単体の魅力も、きちんと表現された作品だったのではと思います。

【マイナスポイント】

演出であったりシーンそのものの見せ方、その他「全般的なクオリティ」という点で、もう少しがんばって欲しかったなあと感じました。
特にCGとテキストの不一致は、例え瞬間的な場面であってもユーザーの印象には残るので、注意いただきたいところです。

【評価度】

評価度:8
正直なところ、延期に延期が重なっていたためハードルが下がっている面は否めません。
ただそれでも、展開は面白かったですし個人的には十分楽しめました。

【おすすめ度】

おすすめ度:7
個別ルートがなければ「6」をつけることになるかもなあと、当初は思っていました。
が、各キャラの個別パート(特に結佳ルート)が予想外に良かったので1ランクアップで。

【その他感想】

色々な理由で延期が重なっていたので、2月に出ると聞いた時には「マジかよ」と思いました。
バグが満載orシナリオががっつり削られているという可能性も考えていたのですが、結論としてはそんなことは無かったですね。
話の展開としては、とある災厄を回避するため過去に赴き改変するという共通パートと、その後に展開される個別パートに大別されます。
この作品の魅力の1つとして、共通パートの内容がその後の個別パートに色濃く影響するという点でしょうか。
要は「過去改変によって発生する影響について、個別パートでもう一度向き合う必要がある」ということです。
多少ご都合主義や強引な展開もありましたが、全体的なストーリーの構成としてはとても良かったと思います。
ストーリー構成でいうと、琥珀ルートを終えてから結佳ルートをプレイすることで、結佳ルートがより引き立つ作りになっており、既にプレイされた方は共感いただけるのではと思いますが、非常に上手いみせ方だったと思います。
ただ個人的には、結佳ルートの最後で琥珀(というか千羽耶)にもう少し描写が欲しかったですね。

キャラについては、各々のキャラが個性的で且つ差別化されていたと思います。
その上でプレイし終わった時にはどのキャラも好きになる、良いお話だったと思います。
例を挙げると、雛緒については最初は受け入れられないかもと思っていたのですが、進めていく中で良い感じにシリアスをブレイクしてくれる有難いキャラになってました。主人公がどうも考えすぎな面があるので、対比としても良かったと思います。

あと、花蓮については最初は「何か小うるさい犬っぽい」という印象だったのですが、過去編を体験することで印象が180度変わりましたね(やっぱり犬なのは変わりませんが)。
この子の個別ルートも欲しいくらいに。
他のキャラも、人となりが分かるにつれて評価もどんどん上がっていきました。

 

残念な点について、やっぱり全般的なクオリティ面での不足ですね。
自分の場合どうしても「パープルソフトの作品との比較」になるので、そういった点からするともう少し上を目指して欲しいなと思いました。
特にCGとテキストの不一致や前後でのCGの矛盾(過去編で私服から制服に切り替わっていたり等)は、一気に没入感もなくなるので評価の上でもダメージが大きかったりします。
ストーリー自体の構成とキャラに関する魅力はとても良かっただけに、より残念に感じました。
ぶっちゃけた話、そういった部分がしっかりと出来ていれば、どこかのサイトの何らかの賞(シナリオとかゲームデザインとか)も狙えたのではと思っています。

次回作ではその点を改善した上で、今作のような「面白い」作品を作っていただければと思います。

 

最後に作品をやり終えて思った感想を。
加弥姫さま、あなた想いが強すぎじゃありませんか・・・。
決して否定しているわけではないです、はい。