out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

クナド国記/Purple software 感想

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【シナリオ】

争いが終わった「後」の世界ということで、今までの作風とはかなり変わったテイストでした。

ある種の風情があって、舞台設定としては良かったと思います。

シナリオとしては、「秀よりの良」といったところでしょうか。

双子ルートまでなら傑作の域だったと思うのですが、最終ルートで少し失速した感がありました。

 

【キャラ・CG】

CGに関しては、全体的なクオリティは高かったと思います。

ただやっぱり、統一感という意味ではハピメアの頃と比較すると多少違和感は感じました(それぞれの質としては問題ないのですが)。

あと、演出的な面ではもう少しパワーが欲しかったですね(特に最終ルートの対決のあたりは)。

双子の本筋ルートの末あたりが演出面でも一番力が入っていたように感じたのが、グランドルートがある作品としては評価が落ちるところですね。

 

キャラとしては、なんだかんだで一番印象に残ってるのはでしょうか。

思考面では普段はポンコツなのに大事なところで外さないところとか、そういうキャラはとても好きですね。

【BGM】

作風にマッチしていて、かつ個々のクオリティも高かったと思います。

バリエーションも豊富で、使われ方も効果的だったかと。

【歌】

OP曲に関しては2021年の中ではTOP5には入るかなと思います。

作中での使われ方も相まって、OPでもありEDでもあるというイメージが強いのですが、各ルートのラストのシーンでインスト版が流れると、非常に「締まった」印象を受けましたね。

他2曲も上々で、この辺りは流石でした。

【システム】

欲しい機能は大体揃っているので、悪くはないかと。

セーブ数が少ないかも?と思ったのですが、そこまでセーブが必要な作品でも無いですし問題はないでしょう。

【評価度】

評価度:8

双子ルートのクオリティで最後まで駆け抜けていたら、9ないし10もあったかなと思うと、少々残念なところ。

春姫ルートも展開に関しては問題ないと思うのですが、説明的な会話・テキストが続いたことで盛り上がりが欠けてしまった感がありました(あの問答自体は好きですが)。

あと、やはり双子ルートのように「ヒロインと力を合わせて難局に立ち向かう」シーンにして欲しかったなという思いはあります。

本来であれば春姫はそれを出来るだけの能力を持ち合わせているはずなので、特にそのように感じましたね。

 

【おすすめ度】

おすすめ度:8

体験版をやって面白そうであれば、最後までプレイして損は無いと思います。

ただ、グランドルートよりも双子ルートの方が盛り上がる(であろう)事を念頭に置いておいた方が良いですが。

 

【その他感想】

アオイトリ」以来のPurple software様の作品でした。

大雑把な感想としては「評価度」の欄に記載したことがそのままになります。

全体として悪くないけど、もう少し上を目指せた作品かなと。

双子ルートが本筋、派生ともに同メーカーの最高傑作クラスに面白かったと個人的に感じたため、春姫ルートが本当に色々と勿体ない。

重ねて申し上げますが、春姫ルートも流れとしては問題ないと思うんですよね。

細かな描写や展開、演出面での補完がアマツツミのハッピーエンド並みにあればと思わざるを得ないのが何とも・・・。

 

個人的に本作で一番心に残ったのは、双子本筋の茜と信の選択でした。

絶望的な状況を前にしてのあの判断。

何よりも「判断基準」に心が震えましたね。

あれこそがきっと、戦士の心得なのだと。

その後の演出も相まって、作中で最も盛り上がり且つ感動したシーンだっと思います。

 

あと、特筆すべき事柄としては優里についてでしょうか。

優里は「カントの象徴」ともいえるキャラで、彼女の変化=カントの変化という図式は非常に分かりやすく、上手い仕掛けであるなと感じました。

どうしても双子ルートに目が行ってしまう本作ですが、優里派生ルートの展開と結末もまた良いものであったと思います。

 

そんな感じで最終的な評価としては、アマツツミ・アオイトリよりは下になってしまうが十分楽しめた良作、といった具合でした。

多分、脱落式の形式ではなく3ルート並行なら、もう一段上の評価だったかな。

次回作がどうなるかは分からないですが、期待してるメーカー様の1つではありますので、引き続き頑張って欲しいなと思います。

来年購入予定のゲームについて(2021年12月末時点)

今はクナドをちまちまと進めています。

(なんか色々あって、まとまった時間が中々とれない・・・)

そんな中ですが、2021年ももうすぐ終わりということで来年に期待している(購入予定の)ゲームをピックアップしてみたいなと思いました。

 

1.アンレス・テルミナリア(Whirlpool

個人的に、目下一番の期待作ですね。

piecesよりも重めな展開になりそうな雰囲気ですが、果たしてどうやってまとめてくるのか。

現時点で気になるキャラとしてはシャロン

あとは恋ルートがどうなるかがキモでしょうか。

 

2.保健室のセンセーとゴスロリの校医(Citrus

Citrusから新作出ないかなーと思ってたら、まさかホケジョの派生作とは。

シロバナルートで綺麗に終わっていた作品ではあったのですが、魅力的なサブキャラも多くいたのは事実なのでルート追加は有難い話ではありますよね。

後はその出来次第ですが、少なくとも無難には仕上げてくるのではと思っています。

 

3.AMBITIOUS MISSION(SAGA PLANETS

サガプラの新作は、やはり気になりどころでした。

夏和小さん起用ということもあって、これも買い確定ですね。

設定的にはそこまで重くはならそうですが、実際のところはわかんないですねー。

今のところ「良作?」ぐらいの空気感ですが、それがどう変化してくるかは楽しみです。

 

4.ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world-(きゃべつそふと)

本日(12月28日)発表された作品になります。

冬茜トム先生シナリオの作品なので、これも買い確定です。

原画がしらたま先生単独ということで、これはちょっと意外。

りこ先生単独or二人体制を予測していた人が多かったのではと思いました(私もですが)。

老婆心ながらブランドのファン層への影響という意味では、ちょっと気になるところではありますね。

(その辺は、上手く舵取りをしてくれることを祈るのみですが)

 

新作としては大体こんな感じで、以降は既に発売されている作品の中でやりたいと思ってるやつですね。

 

1.Re:LieF 〜親愛なるあなたへ〜

2.生命のスペア

3.消えた世界と月と少女

 

まあ、某エロゲソングランキングから大きく影響を受けています。

特にRe:LieFに関してはいい加減向き合うべきかなと思っているので、なるべく早く取り掛かりたいものです。

 

そして、サクラノ刻は来年でるかしら・・・。

星の乙女と六華の姉妹/ensemble 感想

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【シナリオ】

あくまでキャラゲーとしてですが、学園モノ+女装+アイドルの組み合わせとしてはかなり良いものであったと思います。

メインキャラ、サブキャラ問わず、各キャラの魅力が良く引き出されていたかと思います(色んな意味で)。

 

ただ個人的には、ルートロックがかかっている純玲ルートに関してはもう少しボリュームが欲しかったかなという印象でもありました。

 

【キャラ・CG】

各ヒロインとも上手くキャラ付けされていたかなと思います。

雑なまとめとしては、以下のような感じでしょうか。

 

華恋:正統派ヒロイン(たまに妄想が暴走しがちだけど)

ありす:依存系妹

ネリネツンデレ、天然、善性と何かと属性の多いヒロイン

純玲:幼馴染お姉ちゃん

 

そして

 

兎美:基本的に善良(ただし、敵対者に対してはその限りではない)

 

細かに語りだすときりがないのですが、華恋のヒロイン力が想像以上に高かったのはちょっと驚きでした。あと、純玲が兎美に対して存外強い思いを持っていたというか依存的だったのも意外でしたね。

CGに関しては一枚一枚のクオリティは十分だと思うのですが、ステージのシーンやHシーンとかでもうちょっと枚数が欲しいかなと思いました。

特にステージのシーンは、「ヒロインのパフォーマンスの凄さの証明」にも繋がる部分なので。

【BGM】

クオリティとしてはそれなりに良かったかなと思います。

ただ、「ここぞ」というタイミングではBGMが当然切り替わるわけなんですが、切り替わった後のシーンが全体的に短めだったこともあり、やや勿体ない使われ方だったかなという印象も受けました。

【歌】

OP曲は今年の中ではかなり好きな曲でした。

Ducaさんの歌声と、どことなく「強さ」だったり「輝き」だったりをイメージさせる曲調と歌詞は上手くマッチしていたと思います。

【システム】

まあぶっちゃけ普通ですね。

最小化することでミュート状態になるシステムは有難いのですが、マシンの負荷がちょっと高かったのが気になったところでした。

それ以外に関しては、必須となる機能もそろっていますし問題はないかと。

【評価度】

評価度:8

期待していた内容を期待通りに出してくれたということで、この評価になっています。

CG、演出面でもうちょっとパワーが欲しかったなあと感じる部分もあったことや、純玲ルートのボリュームがちょっと足りてないと感じたところから、9には至りませんでしたが。

 

【おすすめ度】

おすすめ度:8

評価度と似たような感じですね。

期待通りではあるが、もう一段強く推すにはパワーがもう少し欲しいところ。

でも、十分良作であったと思います。

 

【その他感想】

ensemble様の作品では初めてプレイした作品ですが、とても楽しませていただきました。

もともと過去作でも設定的に気になるやつは幾つかあったのですが、体験版をプレイした段階でテキストが合わなかったこともあり、今までは見送っていました。

今作はテキストも合いそうだった(&攻略ヒロインに月白まひるさんCVのキャラがいる)ため購入に至りました。

今作で一番良かった点は、やはり兎美ちゃんというキャラでしょうか。

どのゲームでも主人公の言動や心情は重要になってくるとは思うのですが、この手の女装学園モノでは特に大事になるなあと改めて感じました。

兎美ちゃんに関してはそういった心情とかが理解・共感しやすく、またヒロイン達を守るために「男の子の矜持として」頑張る姿は、ストーリーを読んでいてとても良かったです。

あと、特筆すべき点としてはサブキャラでしょうか。

何よりも星組のキャラが色々とぶっ飛んでましたね。

特に彩女サン、仮にもイチャラブゲーのキャラとは思えないお顔をなさってるシーンもありましたネ。

ローリエとみんとに関しては、普通に攻略キャラとして期待してしまう良いキャラだったと思います。

みんとに関しては最初は「嫌な奴」と思わせてからのあの展開なので、兎美ちゃんとより親密になった時にどうなるのかなあと妄想しちゃいます。

ローリエちゃんは攻略ルートに入るとネリネ並みにチョロイン化するかも・・・。

 

メインヒロインに関しては、最終的な評価としては甲乙付け難い状態になりました。

その理由としては、上にも記載したように華恋と純玲の意外性ですね。

華恋のヒロイン力は自身のルート及びありすルートにて発揮されるのですが、それが想像を超えて高かったために「お、おう」的な感じでちょっと面喰いました。

また純玲に関しては、どっちかというと「同士」的な意味で兎美を待っていたのかと思っていたのですが、予想以上に重たい感情を持っていることが分かり、思った以上に刺さりました。

私の好みから判断すると、ありすとネリネが高評価になるのは目に見えていたのですが、その2人に華恋と純玲が追いついたといった感じでしょうか。

 

シナリオ面でちょっと残念というか心残りだったのが、一部のキャラが有する「眼力」について掘り下げというか展開が欲しかったなと。

面白い設定な割に、兎美ちゃん以外はあまり作中で使われなかったように感じており、なんか勿体ないなと。

まあそれが主眼の作品ではないので、仕方ないといえば仕方ないですが。

FDが出るなら、その辺りにもフォーカスが当たると嬉しいですね。

それと、これは私の個人的な願望でしかなかったのですが、あの5人(兎美ちゃん+メインヒロイン4人)のステージが欲しかったですね。

OPムービーでそれっぽく映っていたのでなおさらでしょうか。

こちらFDとかでみられると良いなあ。

(ルートとしては、ありす以外の3人のルートのどれかなら行けるかな)

 

最後はちょっと愚痴っぽくもなってしまいましたが、この作品がそれだけ「拡張性」を持ってるということで。

今後続編などが出るのであれば、是非購入したい作品でした。

創作彼女の恋愛公式/Aino+Links 感想

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【シナリオ】

全体を通して考えると、良作以上ではあったと思います。

共通ルートに関しては各章にテーマと意味を持たせ、ヒロインの魅力を上手く引き出していたかと思います。

共通ルートが長い分だけ個別ルートは短めにも感じるのですが、それでも表現したいことは十分表現されていたかと。

一方で、逢桜ルートの展開と結末が私の中では現時点で腑に落ちておらず、「傑作」と呼べる域には届かなかったのもまた事実ですね。

 

【キャラ・CG】

各キャラとも、とても魅力的だったと思います。

サブキャラが比較的多い印象ですが、それぞれにしっかり「役割」と「バックボーン」が存在し、いわゆる「無駄なキャラ」は1人もいなかったと思います。

CGに関しても枚数は十分かつ美麗で、文句のつけようがありませんでした。

どのキャラが一番好きだったかを明確に決めるのは難しいですが、あえて誰か1人を推すとすれば、桐葉でしょうか。

個別ルートにおける主人公との恋愛模様も好きでしたが、桐葉の性格や言動、在り方に共感と尊敬の念を抱いたことが一番大きいです。

あと照れ顔がとても可愛かったですね、はい。

【BGM】

こちらも高いクオリティであったと思います。

一番好きなBGMは主題歌のピアノアレンジでしょうか。

穏やかで温かめな曲が多いのですが、その中でどこか「哀」の感情を持つこの曲はとても美しかったと思います。

【歌】

今年発売のゲームの中では、かなり上位かなと思います。

ただ私の評価基準的に、作品そのものの評価と歌の評価を切り離すことが出来ないので、どうしても評価が伸び切らなかったですね。

なんとも残念というか、もったいないというか。

【システム】

 一定水準以上ではあったかなと思います。

欲しい機能は大体網羅していて、少なくとも私のマシン環境上では安定的に動作していたので不満は殆ど無かったです(他の方のコメント等を見る限り、環境によってはトラブるのかも?)。

強いて言うなら、ウィンドウモードにした際に画面の左上に張り付いてしまって、なんとも見づらかった点でしょうか(まあ後に改善したので、大した問題ではないです)。

【評価度】

評価度:8

なんとも難しい評価になりました。

もう一段上げるべきかと思わないこともないですが、逆に下げるべきではという思いもあり。

そんな思いを折衷して、この数字になってます。

【おすすめ度】

おすすめ度:8

何となく察することが出来る方は多いと思いますが、逢桜ルートは「そういう内容」です。

それを把握した上で、それでも構わないという人にとってはお勧めできる作品かと思います。

そういう内容が受け入れらない人にとっては地雷と化してしまう恐れが高いのでご注意を。

 

【その他感想】

以降で具体的な感想を述べているのですが、割と重篤なネタバレもありますのでご注意を。

 

 

 

 

 

 

作品としての評価ですが「シナリオ」の欄にも記載しましたが、良い作品か否かと言われたら良い作品であったと思います。

エロゲとして求められる基本的なスペックはどれも水準以上ですし、エレナルート桐葉ルートは素直にお勧めできる内容でした(ゆめみルートも悪くないのですが、前者2つに比べるとやや劣るかなというのが率直な感想)。

グランドルートである逢桜ルートも、話の造りとしては悪くなかったと思います。

隠されていた情報を開示しつつ、他の3人のルートの内容を継承した上で成り立つルート展開は、どちらかというと好きな部類だったりしますので。

 

ただ、逢桜ルートのストーリーの進み方と最後の結末は、やっぱり「うーん・・・」ってなっちゃったんですよね。

正直なところ、体験版をプレイする前から逢桜ルートの結末は何となく予期できていて、体験版をプレイした時点でほぼ確信に変わっていました。

ある意味予定通りに進行し、そして結末に至ったわけですが、それでも何とも複雑な感情になっているというのが素直な気持ちです。

まず前提として、私は別離エンドは否定しません。

なにせ、評価・おすすめの両方で満点を唯一記録してるのが「さくレット」な訳ですしね。

ただ、別離エンドを辿るには「さくレット」クラスの納得感が必要になるなあと、改めて感じた次第です。

逢桜ルートをプレイしている中で特に引っかかったのが、この作品は「リアリティに沿った作品」なのか「物語であることを前提とした作品」なのかが定められなかった点でした。

物語としての理想(いわゆる「お約束」)を外す流れを辿る一方、現実味の無い展開も散見されたことで、どういう心持ちで作品と向き合えばよいかが迷子になっちゃった感じですね。

それを強く感じたのは、「逃避行」と「手術」に関する展開でしょうか。

特に後者に関しては「割と唐突に湧いて出た一方であの結末」というのが、咀嚼しきれていないというか異物として残っているというか。

恐らく、後日に公開が予定されている「ifルート」の為に必要だったのだろうとは推察できるのですが・・・。

 

そんな感じで、作品としてのクオリティの割に個人的評価が伸び切らなかったというのが、まとめとしての感想ですね。

しかし一方でこの作品をもっと評価したいという思いも綯い交ぜになっているので、もしも製作側がこれを望んでいたのであれば、意図通りといったところなのかもしれません。

もっとも現状の心境的に、次回作以降は「絶対購入」とはならず様子見をせざるを得ないですが。

 

さしあたって今望むこととしては、「ifルート」の早い段階での公開ですね。

期間が経てばたつほど、作品に対する熱量も冷めていき評価も固まってしまって、「この作品をもっと評価したい」という思いが達成できなくなってしまうので。

もし「ifルート」が自分にとって腑に落ちるものであれば、また改めて感想は更新したいなと思っています。

 

精霊幻想記のアニメを通しての所感

まず初めに、予算が潤沢ではないであろう中で一定のクオリティのまま12話まで保って下さったことは有難いと思います。


キャラデザに関しては原作とかなり変わってるところがあり正直不安でしたが、回が進むごとに違和感もなくなっていったかなと思います。
まあ注文を付けるのであれば、パケ絵はもう少し「買わせる構図」を練って欲しかったかなとは思っちゃいました。
(今振り返ると、「Re:ステージ」はそういうところも上手かったなと思いますね)

 

個人的にやっぱり引っかかってしまう点が「戦闘シーン」「ストーリーの改変」なんですよね。
戦闘シーンに関しては、ちょっと迫力がなさ過ぎたのは否定できないですね。
対人のシーンはまあ良いんですが、いわゆるデカブツ相手のシーンが力感が足りてなく、なんというか「薄い」「軽い」印象がどうしても残ってしまいました。
もし2期があるのであれば、この点については改善してほしいなあというのが率直な印象。
ユーフォみたいな超絶シーンは求めてないですが、それでも最低ラインはあると思うので。

 

で、ストーリーに関してですが途中までは上手いこと削ったり改変したりしていたかと思うのですが、4巻をすっ飛ばしたのは何度考えても悪手にしか思えませんでした。
単純に話の流れだけ考えればセリア先生を救出して終わるのが綺麗なのですが、この作品が「前世と現世がクロスする異世界転生モノ」ある以上、前世の象徴である美春の登場は必須なんですよね。
そうなると最後はあの展開になるのは自明で、結果としてもの凄く微妙な状況で終わってしまうことになるのもまた自明。


原作を追ってる人からすれば「なんで入れ替えたんだろう?」「美春の扱いが雑じゃね?」ってなりますし、アニメから入った人にとっては「何これ?」「これで終わり?」「最後に登場したキャラ達はどういうこと?」ってなっちゃいますよね。
これを回避するには原作の流れの通りに、4巻→5巻と進めるしかなかったのでは?と思わざるを得ないです。

 

個人的には3巻の内容に関してはばっさり削っても良かったと思っています。
確かに3巻の内容も重要ではあるのですが、それが活きてくるのってリオが王族の血筋であることがストーリーに影響してきてからなんですよね。
それが対外的に影響してくるのはかなり先の話なので、1期のタイミングでマストではなかったと思います(実際に影響が出てくるのは11巻以降かな・・・?)。
「ヤグモ地方に行ってきたこと」「家族がいたこと」「何らかの決意を固めたこと」だけを描写すれば、話は成立したかと思っています。
人気が出て3期以降が作られるようになるなら、そのタイミングで過去編として挟み込めばよかったかと。
もちろんそれでも100点には遠いのですが、4巻と5巻の時系列を入れ替えた結果として尻切れトンボで終わるよりはずっとマシだったと思います。


アニメ終了と同時に2期の発表があればフォローもできたかと思いますが、そういった情報もないので中々に厳しい・・・。
ツイッター上で感想コメントを読んでも終わり方への言及が殊更に多かったので、大多数の方が同じような感想を持たれたのではないでしょうか。
(先の例に挙げた「Re:ステージ」は話をしっかりとまとめつつ、2期が来てもおかしくない展開だったので終わり方に関しても上手かったかなと思います)

 

総評としては「大体は上手くやったけど、重要な点を1つしくじったために評価が伸びきらなかった」といった感じでしょうか。
今言えることとしては、早い段階での2期の告知が望まれるということですね。
時間が空くと、多分すぐに忘れられるので。

きゃべつそふとの新情報に関しての妄想あれこれ(8/26更新)

本日(8月18日)、きゃべつそふと様のFANBOXが更新され「月末に大きな発表がある」旨の告知がされました。

それに関しての妄想を書こうかなと(先にあまショコ2の感想まとめろやって話な気もしますが)。

 

まず、あまショコ3に関する情報の可能性はかなり低いと思ってます。

2が出たのもこの前ですし、仮に新作情報を発表するなら、すでに動いていることが明言されているシナリオゲーの方を先に発表すると思うので。

なお個人的には、あまショコ3はいずれ確実に出ると思っています。

みつきさんが攻略できないママとかあり得ないですしね。

これは気長に待てばよいかと。

で、そうなると次の可能性として、上記のシナリオゲーに関する告知になりますが、こちらも可能性が低そうです。

既にシナリオゲーの開発を進めていることは明言しているので、「大きな発表」とあえてぼかす必要はないと思うんですよね。

 

となると、前回のきゃべつそふとチャンネルで語られていた「もう1個」に関する情報と考えるのが妥当かと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=hhxyjupWhmc

(こちらの動画の38分以降ですね)

 

で、この「もう1個」が何なのかというのを考えたときに自分が真っ先に思い浮かんだのが「さくレット(もしくはアメグレ)」のアニメ化 or 漫画化なんですよね。

「ファンが広がる案件」って考えたときに一番妥当なのは、上記の2つかなと。

他には「さくレットの全年齢版」「ソシャゲ展開」等も思い浮かびますが、前者は大きな発表とまでは言えないと思いますし、後者はリスクがかなり高いので可能性は低いかなと。

後は音声作品とか・・・?

でもこれも、大きな発表にはならないですよねえ。

そう考えるとやっぱり最初に挙げた2つが、夢物語なようで実は本命なのではと思った次第です。

(別メーカーの、おとボク3のアニメ化という情報に引きずられている感はありますが)

 

まあいずれにしても後1週間かそこらで発表になると思いますので、その時を楽しみにしています。

 

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本日情報が公開され、CS移植(と新規エピソード)でしたね。

個人的には無いだろうと予想していたモノだったので、なんとも微妙な感じですが。

買うかどうかは、正直悩ましいところですね。

 単純に値段だけ考えたときに、それに釣り合うものになる可能性は限りなく低いと思うので。

なので、メーカーの応援という意味合いがどうしても強くなってしまうかなあと。

アララギのルートが出るのであれば、アダルト要素なしても即買いだったと思いますが)

あと、あの新規のヒロインがどういう存在なのかによっては、特大の地雷を踏み抜きかねないのも躊躇してる理由ですね。

まあ、もうしばらくは静観でしょうかねえ。

ハッピーライヴ ショウアップ!/FAVORITE 感想

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移りゆく花のように

 

【シナリオ】

「さくらもゆ」等と比べると、泣きゲー」として落ちるのは間違いないです。

ただ、「仲間と力を合わせて上を目指す」自分の本当の夢を叶えるために頑張る」というテーマを見事に表現していて、プラスのパワーが凄い作品でした。

たとえ暗い世の中であっても、彼女たちのその在り方、生き様、パフォーマンスを見ていると勇気が湧いてくる、そんな素晴らしい作品だったかと思います。

 

また、この作品に関して特筆すべき点として、「ヒロイン同士の掛け合い」があると思います。

大抵の作品だと「主人公とヒロイン」の話がメインになってしまい、ヒロイン同士の絡みはどうしても薄くなりがちですが、この作品はヒロイン同士がめっちゃ絡みます。

なんなら主人公そっちのけで。

そういった意味でも、非常に得難い作品だったなあと実感しています。

 

個別ルートに関しては「ペチカルート」と、実質的なトゥルーであると思われる「ソフィールート」が特に印象的でしたね(他のルートも満足のいくものでしたが)。

「ペチカルート」に関しては、「Re:」な物語だったと思います。

それも、「Re:」の再定義といいますか、非常に上手い話の展開だったなあと。

「ソフィールート」に関しては流石の力の入れようで、非常に感動的なものでした。

 

 

【キャラ・CG】

まあなんといってもジャンでしょうか(オイ)。

ヒロインを差し置いてコメントするもどうかと思うのですが、本当にいいキャラをしていて、アキトにとってまさに道標と言えるキャラだったのではないでしょうか。

(その分、多少頼りすぎな面もありましたがね)

 で、ヒロインに話を戻すと、どのキャラも総じて魅力的だったかと思います。

 

最初から最後までメインヒロインを貫いたソフィー

もっともギャップが激しくて可愛かったカーチャ

ハチャメチャなパワーで皆を巻き込んでいく割に自分のことになると弱い一面も見せるルー

ツンデレで努力家で、誰よりも恋をしていたクラリス

口調は悪く手も出やすいのに、とても面倒見が良くて親しみやすいペチカ

ある意味アキトの「壁」であって、誰よりもアキトをみていたミヤビ

 

本当にいいキャラが揃っていたかなあと思います。

 

【BGM】

最高でした。

それ以上の言葉は野暮かなあと思うぐらい、レベルが高いものだったかと。

FAVORITEさんのBGMは、個人的には業界で随一だと思いますね。

本作で特に好きだったBGMを上げると

 

「パ・ド・トロワ」
「乗り越えるべきもの」
「いつまでも隣で」
「夢へとその手を伸ばして」
「MAGICAL∞SHOWTIME!! Feat.〇〇〇」

 

あたりでしょうか。

特に主題歌のアレンジは、センスがヤバ過ぎてヤバかったです(語彙力・・・)。

 

【歌】

主題歌に関して正直なところ、またとんでもない曲をぶっこんできたなあというのが率直な感想です。

ムービーの尺で聴くと「普通かなあ」という印象だったのですが、フルで聴くと(というより曲のテーマ性を理解すると)その世界観と表現力に圧倒されました。

前作の主題歌と毛色は違う、しかし同等以上に素晴らしい曲だったかと思います。

あと、各ルートのEDも素晴らしい仕上がりになっていて、早くサントラが欲しいなあと強く思っています。

 

【システム】

 「さくらもゆ」からガラっと変えてきましたね。

画面サイズの可変は有難いのですが、スタンバイ状態から復帰するたびに微妙なことになっていたりしたので、もう少し改善の余地はあるかなあと思いました。

以前にも言及したような気がしなくもないですが、システム周りに関してはサガプラさんが最優だと思っているので、それに近づいていくと嬉しいかなあと。

 

【評価度】

評価度:9

もう一段上の評価にすることも考えたのですが、

 

・「ミヤビルート」が消化不良なのは否めない

・ルーやアキトの親との対峙が無かった点

・ソフィー以外の各ヒロインとも、Hシーンはもう1つは欲しかった

 

辺りを鑑みて、最終的には「9」になりました。

それでも期待以上の作品であったことは間違いなく、ここまで「ただ、前を向いて頑張る」ことを表現した作品に仕上げてくださったことには感謝しかないです。

 

【おすすめ度】

おすすめ度:9

作品として王道且つ正道であることと、テキストの癖もなく読みやすい作品なため多くの人にお勧めできるかなと思います。

また、前述したようにヒロイン同士の掛け合いも多いため、そういうものが好きな方には特にお勧めしたいですね。

 

【その他感想】

体験版が出る前は「NEXT GENERATION」ということで、どういう作品に仕上げてくるのかなあというのが期待半分、不安半分でした。
いざプレイしてみると、見事にメインストリームに飛び込んできた感じでしたね。
キャラとシナリオが上手く両立していて、とても「私好み」な作品でした。

 

以降では、各キャラとルートに関して改めて振り返ってみたいなと思います。

まずはルーから。

ルーに関しては、体験版の時点から非常に「良い」キャラだった思います。

クラリスとのコンビは本当に良かったですねえ。

あのパワフルな言動も良かったですが、何よりも天真爛漫な笑顔が本当に素敵でした。

ルートに関しては、期待通りの内容ではあったかと。

中々に「特殊」な境遇なのは割と早い段階で察することができましたし、ある意味王道と言える展開でした。

ただ、あの展開になるのであれば、ルーの両親との対話は欲しかったかなあというのが率直な印象。

そこだけはちょっと残念でした。

 

次はペチカ。

こちらは体験版が終わった時点では、「案外悪くない娘かも?」ぐらいのイメージしかなかった感じでした(合流が最後でしたからね)。

 

ペチカは境遇がアキトに一番近い且つ年上ということもあり、ヒロインの中で唯一アキトに強く出ることができるキャラで、そういった意味で重要なポジションだったと思います。

また多少粗野でやりすぎな面はあるものの非常に面倒見が良く、多くのヒロインが彼女に助けられていたのではないでしょうか。

ぶっちゃけた話、製品版をプレイする前と後で一番印象が変わったキャラでした。

ルートに関しては、「過去との決着」がテーマとなっていて、かなり胸に刺さるストーリーでした。

「あの時の夢」はもう全てが終わっていて、諦めていて、それでもなお残ってしまっていた傷。

その傷ともう一度正面から向き合い、新たな夢を手に入れる。

そんな、素敵なお話であったと思います。

 

次はクラリス

クラリスに関しては、攻略キャラとしては一番楽しみにしていたキャラです。

理由としては、ヒロインたちの中で唯一アキトに対して距離があったキャラなので。

ただ話が進んでいくと、どんどんアキトに惹かれていって。

多分に、クラリスもまたアキトと違い境遇にあったというのも一因なんでしょうね。

アキトは完全にあきらめてしまったけど、クラリスはその一歩手前にいる感じで。

「似たもの同士」ゆえに、より強くアキトに引き付けられたのかなあと。

しかも嫉妬しやすい性格でもあったので、良いキャラ付けではあったものの、割と辛い立場だったかもしれません。

それでも他のヒロインとアキトの恋を祝福する彼女は、とても眩しいものに移りました。

どのルートでも、クラリスには良い人を見つけてほしいですね。

ルートに関しては、途中までは平凡かなあというのが率直な印象。

ただ、アキトと付き合いだしてからは急激に加速していった印象でした。

特に、ラストの舞台での彼女の「表現者」としての在り方と心境の変化は感動的で、涙誘われました。

きっと、苦難の道を歩んできた彼女だからこその感動なのかな、と思いましたね。

 

次はカーチャ。

カーチャに関しては、傍目には非常にギャップが激しいキャラだったと思います。

ただカーチャ本人にとっては、常に一貫していたようにも感じました。

自分の好きなものを好きと言い、大切なものを慈しむ。

後になって振り返ってみると、常にそのように行動していたかなと。

おそらく、天性の才能と強い芯を兼ね備えたがゆえに出来るものなのかと思いますね。

もっとも、それゆえの孤独も常に付きまとっていたわけですが。

ルートに関していうと、他のルートではソフィー達とひたすら楽しくやってた印象が強かったです。

カーチャルートについては、なんというか「さくレット」の「蓮ルート」に近い印象を受けました(ツイッターでもコメントしましたが)。

一言でいうとラブロマンス」

恋知らぬ少女が初めて恋を知り、それとどう向き合っていくかが上手く表現されていたなと。

 

またカーチャに関しては天才ゆえの落ち度というか、それまで向き合う必要もなく前に進むことが出来ていた課題があって。

それに改めて向き合った後の姿は、とても美しいものだったと思います。

 

次はミヤビ。

攻略ヒロインの中では最も出番が少なく、ソフィールートと自身のルートのみ。

第一印象で彼女がお気に入りだった私としては、なんとも待たされた気分でした。

キャラ性に関してはとても好みな部類で、アキトとの関係性も良い感じでした。

ソフィールートで彼女がアキトやソフィーに向けた感情は、客観的にみると理不尽なんでしょうが主観的にみるときっと正しくて、感情移入してしまう場面が多々ありました。

一方でミヤビルートに入ると、1つ1つの言動が非常に可愛くて、もっと見ていたいと強く思いましたね。

で、ルートに関する話をすると、やっぱり短いと言わざるを得なくて、多少の減点材料にはなってしまったのは否めないです。

ただ、「ハピメア」の舞亜ルートよりは体感的にマシであることと、「さくレット」のアララギのようにルートすらなかった例を鑑みると、まあやむを得ないかなあと思わなくもなかったり。

一応個人的な解釈としては、ミヤビルートをまっとうに作ってしまうと、今作の実質的なトゥルーと思われるソフィールートと反発する格好になってしまうのかなと思っていて。

なのでこういった形になったのかなという思いもあり、ひとまずは折り合いをつけた所存です。

ですので、今後続編やFDで「シン・ミヤビルート」が描かれることを切に願っています!!!。

 

そして、最後にソフィー。

ソフィーに関しては、最初から最後までアキトに惚れている、まさにメインヒロインといったキャラであったと思います。

他のヒロインのルートでは、自身もアキトのことを好いているにも関わらず笑顔で二人を応援していて、そのいじらしさが少し切なくなりました。

ルートに関しては、途中までの展開は正直好みではなかったです。

正確に言うと、「アキトと同じ感情を抱いてモヤモヤしていた」感じです。

なので、ゲームの製作側としては「狙った通り」になるのではないでしょうかね。

ソフィーがアキトのため「魔法を頑張る」「プロになる」と発言するたびに、段々と心に澱みがたまっていきました。

このあたりをプレイしている最中は、「XXXHOLiC」の侑子さんの言葉が常に頭をリフレインしていました(1巻の後半あたりの、「行動と誠意」の話ですね)。

なので、なんとも不安でやきもきしながら読み進めていたのですが、最終的には理想的な着地点に持っていってくれました。

彼女が魔法を頑張る理由。

それは、彼女がそうしたいと思ったから。

とても単純で、それでも大切なこと。

また、彼女がそうしたいと思った理由が、物語の原点に回帰しているのも非常に感動的かつ上手い作りだなあと思いました。

この話の展開には最大限の拍手を贈りたいと思います。

暗い過去と優しい心と素敵な仲間、そしてアキトへの憧れを抱いた彼女だから目指せるもの・表現できるもの。

それはきっと、ポカポカでキラキラなステージになるんでしょうね。

 

 

感想記事の一番初めの一文は、大体がその作品のキャッチフレーズだったり印象的なワードだったりするのですが、今回は実は違っていたりします。

ソフィールートのラストの方でこのワードが浮かんできたので、あえて選んでみました(ネタ元はググればすぐに出てくるかと)。

あらゆるものは思い出に変わっていき、人もまた移ろっていく。

それでも隣で一緒に歩いてくれる人と大切な思い出があるのなら、それで良い。

そんな、儚くも温かいメッセージを受け取ったのだと、思っています。

 

そんなわけで、いくつかの部分で「こうして欲しかった」という思いはあるものの、総体として評価すると、「非常に良い」作品でした。

この作品を生み出してくださった皆様に、謝辞を述べたいと思います。

また、FAVORITEさんの今後にもとても期待ができるものであったと思います。

まあ次の作品はハラショウの続編だと信じていますが。