out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

アマツツミの感想というか考察というか

元々ツイッターでバラバラと語ってたアマツツミの感想というか考察について、何となく書いてみました。

※取りとめもない雑記なので、評価とかではないです。

若干ネタばれしている箇所もあるので、ご注意ください。

1.死生観

アマツツミのテーマ性といえば、「死生観」なのは自明です。
あくまで私の考えですが、このテーマを選択した時点で人によって合う・合わないは大きく出るのではと思います。
その大きな分岐点は、主要キャラを生かすか否かですが。
私の場合は、作品の中での分岐や選択・結末が非常に好みだったので、ストレートに受け入れることができ且つ感動することができました。
そういった意味で、非常にラッキーだったと思います。

2.響子と愛の本筋ルートの意義

響子と愛の本筋ルートは単体でも非常に感動的なお話になっていると思います。
ただ、それとは別の意義があったのではと作品を終えた段階で感じていました。
ほたるルートへのつなぎです。
ほたるの持つ特殊性について、こころルートから直に繋がっていた場合、戸惑いが大きかったのではと思っています。
特に、誠のような神の一族でもないほたるが「増加」の力を使えることは、単なるご都合主義にすら思えた可能性もあります。
そこに響子という存在を挟むことで、「条件次第では人もチカラを使えるもの」という発想に上手く誘導されたように感じます。
また愛ルートに関しては、人の我執というものが(ほたるルートと比較すると)穏やかに表現され、良いクッションになったと思います。
何より鈴夏の存在は、オリジナルを違和感なく登場させるという意味でも、重要だったと思います。
大トリへのつなぎと個々のシナリオとしての作りこみ、この両方をやってのけたライターとディレクターの方へは、純粋に感嘆と賞賛の念しかないですね。

3.ほたるルート

私の感覚としても、恐らく精度という点ではEND1のほうが上だと認識しています。
それでも私は、END2の方がトゥルー的な扱いとしてはふさわしいのではと思っています。
元々ハッピーエンドが好きということもありますが、「誠が辿り着く場所」はどうあるべきかということを考えたときに、END2が妥当なのではと思います。
ただ怒りという感情を覚えるのではなく、それを理解し、飲み込んで人として生きていく。
それがきっと彼にとってふさわしいと感じたから、私はEND2推しですね。
あと、こちらのエンドのほうが主題歌にも合致するので。

4.ゲームの歌

げっちゅ屋さんでの音楽部門で、アマツツミが1位を獲得していました。
以前から業界の中ではトップランクの水準ではあったと思いますが、今作は特に「作品への適合性」が素晴らしかったと思います。
「コトダマ紬ぐ未来」の2番のサビ、「繋がるココロ」の大サビ、「こころに響く恋ほたる」の落ちサビなどは、誠やほたるの想いそのものであったと感じています。
良い歌は探すまでも無く溢れているこの業界ですが、ここまで作品と強く結びついた歌達はあまり無いのではと思います。
3rdのライブが開催されること、切に願ってます。

5.キャラクター単体の魅力

元々シナリオ性が重視されるメーカーですので、キャラ単体での魅力はトップの層よりも落ちがちというか隠れがちでしたね。
個人的には大好きですし、とても可愛いキャラが揃っていると思いますが、「より上を」と望むのなら見せ方を強化していく必要があるのかもですね。
オーガストさんの「千の刃濤、桃花染の皇姫」等は、その辺が特に上手かったと思いました。
ただ、克さんと月杜尋さんの描くキャラクター、私は超好きです。何度も言いますけど。

6.テキストというもの

今この文を書いていても思うのですが、表現することって本当に難しいです。
自分の思いを余すことなく・偽ることなく伝えるにはどう書くべきか、何度も何度も書き直してもまだ満足できないレベルだったりします。
そのことを思うと、アマツツミという作品は非常にテキスト上の表現にこだわって作られた作品だと実感します。
ハピメアの時には誤字レベルで酷かった(恐らく私の、ハピメアに関する唯一の不満です)ですが、今作はその真逆とも言える仕上がりだったと思います。
次回作以降も、このレベルでお願いしたいものです。
以上、章立てすら曖昧なままに書きましたが、少しでも思いの丈が伝われば良いなと思っています。

まあ結論としては、「アマツツミおもしろかったです、パープルさんありがとう」ということになるのですが。

今年も、そう感じられる作品に多く出会いたいと思っています。