out-of-reality

ゲームの感想などを書いてます。

トリノライン/minori 感想

【評価ポイント】

まず1番に来るのは、圧倒的なグラフィックの美麗さですね。
今年私がプレイしたゲームの中では随一であり、恐らく年間でもTOP10には確実にはいると思われます。
特にシロネに関しては、キャラクター自体の美しさと、陽の光とのマッチングが素晴らしく、神々しいレベルでした。
また夕梨と沙羅に関しても、夕焼けを背景にしたシーンがとても印象的で美しいものでした。

次いで上げるとするなら、個人的にはBGMを含めた音楽が良かったと思います。
シーンにマッチするのは勿論ですが、プレイヤーの心境(というか心理状態)にも上手く合わせてきたと思います。
主題歌の「Tetra」はサビの盛り上がりがとても好きで、こちらも今のところ今年のNo1かなあと思っています。

【マイナスポイント】

マイナスというのは厳密には違うと思いますが、シロネルートが思うところ有りといった感想になりました。
人と人ならざるものが結ばれるか否かは作品のスタンスとして尊重しますが、その結末として2人があのような結果になる必要があったのかという思いも残りました。

【評価度】

評価度:9
システム面やグラフィック面などの基礎部分がハイレベルかつ、作品全体としてのシナリオやテーマ性は良かったと思います。
4月末時点での個人的No1の作品ですね。

【おすすめ度】

おすすめ度:8
シロネルートにもう少し救いがあれば9を付けたと思います。
個人的にはそれだけダメージが大きかった・・・。

【その他感想】

テーマ性ゆえに、発売前から非常に期待していた作品でした。
元々、榊一郎さんの「スクラップド・プリンセス棄てプリ)」や「神曲奏界ポリフォニカ」が好きで、その中で描かれている人と人ならざるもの(特にAI)との関係性には強く惹かれていました。
最近で言うと、「ソードアート・オンライン」におけるユイやユナ、アリス等もでしょうか。
そういった意味で楽しみしていたわけですが、概ね期待通りのレベルであったと思います。


「人とアンドロイドがどう寄り添っていくか」「人が人として必要なことは何か」ということを常に考えさせられました。
特に沙羅ルートでは、それを全面に突きつけられた感じでした。
沙羅とサラ、それぞれがたどり着いた結論と意思、そして未来への希望は純粋に感動できるものでした。

これは酷く個人的な解釈になるのですが、きっと人が自分たちを豊かにさせる・成長させるためにアンドロイドを欲するうちは、真なるトリノは世に出るべきではないのでしょうね。
それはきっと様々な軋轢を生み、トリノラインの作中で危惧され、また棄てプリの中では狂竜事件として語られた事件へ繋がるのかもしれません。

 

「良き隣人」「良きパートナー」と何なのか。
ただお互いが高めあえる存在になったとき、トリノラインへと繋がるのかなと思っています。
そのためには人の世の成熟と、トリノ達の人への理解の2つが不可欠と思われます。
トリノラインが繋がった世界、それが描かれるのであれば是非見たい思っています。

少し作品から飛び出した話をすると、最近はAIに関するニュースも色々と聞こえるようになりました。
囲碁や将棋のソフトだけでなく、マイクロソフト社の「りんな」等もそうですね。
いずれは、トリノラインやソードアート・オンラインで描かれた世界が来るのだろうかという思いも持っていたりします。


そうしたときに、自分自身を含めた人はどういった反応をするのだろうかと。
今はまだ、上手く想像することすらも難しい思いですが。